川崎市宮前区で、不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。
個人の古物商として活動しています。
先日はクロコダイルのバッグについて、
種類や魅力などについてまとめました。
今回は、前回のバッグの実相場はもちろん、
変わったクロコダイルのアイテムたち。
そしてそれらを海外転勤先でも、
使うために国外持ち出しに、
必要な手続きなどについて深堀りします。
前回のおさらいと相場
前回はクロコダイルのバッグと一口に言っても、
いろいろな種類のワニがいて、
おまけに精巧な型押しバッグの見分け方についてまとめました。
昔から日本のお金持ちも大好きなクロコダイルバッグ。
今回は、これらの実際の相場についてまとめます。
今回、国内はYahoo!オークションやKOMEHYO、
海外はChristie’sなどの実売・販売価格を中心に調べました。
なお、クロコダイルは種類・腑(うろこの模様)・サイズ・色・ブランド・状態・金具・製造年代で、
価格差が非常に大きいため、
「クロコだから○万円」という相場にはなりません。
1.クロコダイルバッグの国内相場
まず面白いのが、一般的な中古市場とハイブランド市場で、
価格帯がまったく違うことです。
国内・一般的な中古クロコダイルバッグ
Yahoo!オークションの過去180日間の「クロコダイルバッグ」では、9,645件が落札され、
- 最安:1円
- 平均:平均 13,996円
- 最高: 748,000円
となっています。
ただし、この数字にはブランド品からノーブランド品まで混在しています。
なので、かなりのばらつきがあるのが、現実でかなり相場を読むのが難しい
のが現状です。
一般的な中古市場では、大まかに以下のような感じになります。
| クラス | 国内中古のざっくりした目安 |
|---|---|
| ノーブランド・使用感あり | 数千円~2万円程度 |
| 国産クロコ・状態良好 | 2万~10万円程度 |
| 高品質・大型・美品 | 10万~30万円以上 |
| 有名ブランド | 数十万円~数百万円 |
| 希少なハイブランド・特殊素材 | 数百万円~ |
くらいまで大きく広がります。
ハイブランドになると別世界
例えば現在のKOMEHYOでは、エルメスの中古バッグで、
- ヴィンテージ ケリー28:250万円
- ヴィンテージ ケリー32:150万円
- ヴィンテージ バーキン35:180万円
- ヴィンテージ バーキン40:200万円
- ケリー28:330万円
- ケリー28:970万円
などの商品が確認できます。
ただし、ここで注意したいのは、
これらがすべてクロコダイルとは限らないこと。
クロコダイルの場合は素材そのものが価格を大きく押し上げるため、
同じバーキンやケリーでも、
通常のレザーとクロコダイルでは別物として考えた方がよいでしょう。
2.海外のクロコダイルバッグ相場
海外では、さらに上の市場があります。
特にChristie’sなどのオークションでは、
クロコダイル製エルメスが非常に高額で取引されています。
例えば2023年のChristie’sでは、
Hermès Matte White Himalaya Niloticus Crocodile Birkin 35
が
€94,500(当時約1,500万円前後)
で落札されています。
さらに2020年の香港オークションでは、
Hermès Himalaya Niloticus Crocodile Kelly 25
が
HK$3,375,000 / US$437,330
で落札。
Birkin 25も
HK$3,000,000 / US$388,738
となりました。
2021年にも、
- Himalaya Niloticus Crocodile Kelly 28:US$355,758
- Himalaya Niloticus Crocodile Birkin 25:US$306,057
- Porosus Crocodile Diamond Birkin 35:US$289,948
という価格が記録されています。
さらに2023年のChristie’sでは、
通常のブラック系Niloticus Crocodile Birkin 25が”€69,300″で、
落札された例もあります。
つまり海外では、
数万ドル → 数十万ドル
という世界が普通に存在します。
一般バイヤーが多いeBayでも、
Seller数1,263、平均販売価格USD228.45 、最高USD35,000と
かなりの高値となっています。

変わったクロコダイル革を使ったアイテム達
ここでバッグ以外の変わったクロコダイルを使った、
アイテムたちについてまとめます。
「こんな物まで?」クロコダイルの変わったアイテム
ここからが今回かなり面白いところです。
バッグや財布だけではありません。
① クロコダイルのApple Watchバンド
現在、日本国内でも実際に販売されています。
東京クロコダイルでは、
スモールクロコダイル Apple Watchバンド:24,200円
などが販売されています。
通販サイトでもクロコダイルのApple Watch用ストラップが、
33,000~38,500円程度で販売されています。
「高級時計だけ」という時代ではなく、
スマートウォッチにもクロコダイルが使われています。
② クロコダイルのゴルフ用品
これも面白いです。
海外ではクロコダイル製ゴルフバッグが販売されており、
確認できた商品では”€2,400″。
さらにアメリカのLuccheseでは、
クロコダイルをトリミングに使ったゴルフバッグが
US$14,995
で販売されています。
日本でもクロコダイルのゴルフシューズが存在します。
ただしこちらは「クロコダイル型押しの牛革」という商品も多いため、
買うときには要チェックです。
変わり種としては、クロコダイル製のゴルフ用ボールマーカーもあり、
なんと18,700円で販売されています。
③ クロコダイルの帽子
なんと帽子もあります。
クロコダイル専門店のガウディでは、
クロコダイル ダンディーハット:385,000円
という商品が確認できます。
バッグより小さいから安い……とは限らないのが、
クロコダイルの面白いところです。
④ クロコダイルのベスト
さらに驚くのが、
クロコダイル オーダーベスト:1,100,000円
という商品。
クロコダイルを「身につける革」として考えると、
バッグ、財布、靴だけでなく、衣料品にも広がります。
⑤ クロコダイルのスマートキーケース
自動車用品にも進出しています。
ガウディでは、
レクサス用クロコダイルスマートキーケース:44,000円
が販売されています。
⑥ クロコダイルの名刺入れ
これは比較的想像しやすいですが、価格を見るとびっくりします。
東京クロコダイルでは、クロコダイル名刺入れが、
22,000~29,700円程度から確認できます。
専門店では66,000円の名刺入れもあります。
小さい商品なので、クロコダイルの端材を利用した商品としても注目できます。
⑦ クロコダイルのマネークリップ
通販サイトなどでは、
クロコダイル製の小型革小物が展開されています。
財布ほど大きな面積を必要としないので、
こうした小物は中古市場でも「何だこれ?」と目に留まりやすいカテゴリーです。
⑧ クロコダイルの犬用首輪
ここまで来ると「そこまでやるか!」という感じですが、実際にあります。
オーストラリアの革製品メーカーでは、
オーストラリア産ソルトウォータークロコダイルの腹部革を使った犬用首輪がUS$250。
首輪+リードのセットではUS$350です。
つまり、
「犬の首輪までクロコダイル」
です。
⑨クロコダイルのアート作品
さらに面白いのがクロコダイルを使ったアート作品があり、
1,100,000円
で販売されています。
つまりクロコダイルは、バッグや財布の「革製品」という枠を超えて、
インテリア・アート素材としても使われています。
とにかく沢山の面白アイテムがあるのが、
クロコダイル革の魅力です。
ちなみに、昔から時計のベルトに使われているクロコダイルなどの革には、
型押し製品は殆どないと言われています。

急な海外出張でクロコダイルバッグを持ち出す時
クロコダイルの品物は、一部の例外を除き原則輸入が禁止されています。
そんな状況で、突然海外出張に行ってほしいと辞令が下りました。
そんなときは、どのような手続きが必要でしょうか?
実際にまとめてみました。
[クロコダイル革にまつわる国際法の基礎知識]
クロコダイルは国際取引になると、
CITES(ワシントン条約)や輸出入規制が絡む場合があります。
しかし、「海外転勤で自分のクロコダイルバッグを持っていく」場合でも、
ワシントン条約(CITES)の確認が必要です。
ただし、単なる商業輸出とは違い、
個人の引越し・携帯品には特例があります。
2026年現在の経済産業省の案内を確認すると、
条件を満たせば通常のCITES輸出許可手続きを省略できる場合があります。
海外転勤なら「引越荷物」の扱いがポイント
今回のケースで重要なのはここです。
経産省は、永住の目的をもって出国する人について、
- 携帯品
- 職業用具
- 引越荷物
を個人特例の対象としています。
ただし、経産省がいう「永住の目的」は一般的な意味の
「一生海外に住む」という意味ではありません。
家族を伴う場合は1年以上、
その他の場合は2年以上の予定で海外に出国する場合が、
この区分の「永住の目的をもって出国する者」に該当します。
なので例えば、
「会社から海外赴任を命じられ、3年間の予定で家族と一緒にアメリカへ引っ越す」
というケースなら、この個人特例を検討できる可能性があります。
[注意点]
経産省の個人特例には、
相手先国にも同じ内容の特例があるか、事前に確認する
という条件があります。
相手国に同様の特例がなければ、CITES輸出許可書が必要になります。
つまり、
日本側だけ確認して終わりではありません。
日本
↓
個人特例が使えるか確認
↓
転勤先の国
↓
その国のCITES・輸入規制を確認
↓
両方の条件を満たして初めて安心して持ち出す
という流れです。
[出国時の税関申告]
個人特例を利用する場合、
経産省は出国時に税関へ対象貨物を、
申告しておく必要があるとしています。
これをしていないと、帰国時に個人特例を利用できない場合があります。
例えば、
海外赴任前
「このクロコダイルバッグは自分の私物です」
↓
日本出国時に税関へ申告
↓
バッグを海外へ持っていく
↓
数年後、日本へ帰国
という流れです。
[「持って行く」方法にも条件がある]
経産省の説明では、引越荷物などの個人特例について、
本人が携帯するか、税関に申告したうえで別送する
という扱いになっています。
したがって、
A:スーツケースに入れて自分で持っていく
これは「携帯品」の考え方。
B:海外引越業者に預けて船便・航空便で送る
こちらは「引越荷物」として扱える可能性があります。
ただし、後者の場合も税関への申告が必要です。
[実例]
例えば「クロコバッグ3個+財布2個」なら?
ここは実務的に考えてみましょう。
例えば、
- クロコダイル ハンドバッグ ×2
- クロコダイル ショルダーバッグ ×1
- クロコダイル 財布 ×2
- クロコダイル ベルト ×1
を所有していて、海外赴任で持っていきたいとします。
この場合、
「全部私物だから何もせずスーツケースに入れてOK」
とは考えない方が安全です。
まず、
- それぞれの革の種類を確認
- CITES対象種か確認
- バッグ・財布などの購入時資料を確認
- 転勤先国のCITES規制を確認
- 個人特例が利用できるか確認
- 日本出国時に税関へ申告
- 必要ならCITES輸出許可書を取得
- 現地到着時にも必要な申告を行う
という流れで考えます。
さらに、革の元になったのは何ワニなのかをはっきりさせることも、
重要です。国によって持ち込み自体ができない種類も存在するので、
事前に税関などに相談することも大切です。
日本で購入したクロコバッグなら「証明書」が重要
例えば日本国内の正規店で購入したクロコダイルバッグなら、
- 購入時のレシート
- 保証書
- 商品タグ
- ブランドの素材表示
- JRA関連タグ
- CITES関連書類
などを保管しておく価値があります。
特に日本で適法に輸入された革を使った製品であっても、
そのことと「海外へ自由に持ち出せる」ことは別問題です。
日本国内での販売が合法だったことだけで、
輸出先国の輸入条件を満たすとは限りません。
もし個人特例が使えなかったら?
その場合は、通常のCITES手続きを検討します。
経産省では、附属書Ⅰ・Ⅱの輸出・再輸出について申請書類を用意しており、
必要なケースではCITES輸出許可書などを取得します。
なお、現在の経産省案内では、
申請書類に不備がなければ発給まで”概ね1週間程度(受理日の翌日から5営業日)”が目安とされています。
ただし補正などがあれば延びるため、
引越し直前にやるのはおすすめできません。

仲間から聞いた輸入にまつわる怖い話
実はこのワシントン条約に係る輸入の面倒な話しは、
クロコダイルなどエキゾチックレザーに限ったことではありません。
実は、一部の楽器に使われている、
木についても同様なルールが存在します。
その仲間は、eBayを使った楽器の輸入代行も行っていました。
その仲間が、お客様からブラジルからギターを輸入してほしいと、
依頼を受けました。
販売額は約5万ほどでしたが、
買ってからその品物に、メープルウッドが使われていました。
結果数週間もかけて輸入をしようと試みましたが、
残念ながら通関出来ず、泣く泣く断念することとなりました。
なので、海外からなにか特別なものを輸入するときは、
その品物について勉強することも大切だと痛感させられた、
お話でした。
まとめ
この仕事を⑩年以上経験すると、
この手のお話は先輩から色々と聞かされますし、
センザンコウなど普通にはお目にかかれないアイテムもたくさん見ました。
しかし、ルールはしっかり守って取引しないと、
ほんの少しの欲のためお金だけではなく、
犯罪歴がつくのは本末転倒です。
当社でも、それらの法律を守りながらエキゾチックレザー製品について、
出張買取、オークション代行します。
また、処理に困った場合も、なんとかできるよう考えます。
お気軽にお問い合わせください。