クロコダイル革の種類と見分け方|本物と型押し・国内外の相場と人気カラー

川崎市宮前区で、不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。

個人の古物商として活動しています。

自分の得意なジャンルの中に、クロコダイル革があります。

最低年一はなんとなく仕入れるくらい、魅力を感じさせる素材です。

今回は、市場で出会ったクロコダイル革のバックの魅力、

種類などについてまとめます。

クロコダイル革とワニ革の種類

まずはワニ革と一口に言っても、

世界中には約24種類のワニが生息しています。

全てのワニの革がバッグにできるわけではなく、

人気の革も存在します。

まずは、ワニ革について基本的な6種のワニ革を解説します。

皮革として流通しているものはさらに細かく分かれます

古物商目線では、「クロコダイルだから高い」ではなく、

どのワニなのか、腹ワニか背ワニか、

斑の大きさ・整い方、仕上げ、状態まで見るのが重要です。

まずは「ワニ革」の全体像

大分類革としてよく見る種類ざっくりした特徴
クロコダイル科イリエワニ(ポロサス)最高級クラス。細かく整った斑
クロコダイル科ニューギニアワニ大きめの斑。昔から日本でも流通
クロコダイル科ナイルワニ整然とした長方形の斑
クロコダイル科シャムワニ比較的大きめの斑。養殖革が中心
アリゲーター科ミシシッピーワニ(アリゲーター)長めの長方形の斑。高級革
アリゲーター科メガネカイマン硬質でワイルド。比較的入手しやすい

日本皮革産業連合会系の「エキゾチックレザーマーケットジャパン」でも、

皮革として取引される代表的なワニとして、これらが紹介されています。

日本皮革産業連合会系の「エキゾチックレザーマーケットジャパン」でも、

皮革として取引される代表的なワニとして、これらが紹介されています。

① イリエワニ(ポロサス)

Crocodylus porosus

ワニ革の中でも「最高級品」としてまず名前を覚えておきたいのがイリエワニです。

ヨーロッパなどではポロサス(Porosus)と呼ばれ、

高級ブランドのバッグや財布などにも使われます。

特徴は、腹部に並ぶ細かな四角形の斑が非常に美しく、

全体として均整が取れていること。

特に細かく整った「スモールスケール」は高い評価を受けます。

腹から脇腹へ移るにつれて斑が丸みを帯びていく表情も魅力です。

オーストラリア、インドネシア、パプアニューギニアなどに分布し、

現在は養殖による生産も多くなっています。

エルメスのポロサスはたまに見かけますし、

小銭入れだけでも数万円では買えません。

② ニューギニアワニ(ラージクロコ)

Crocodylus novaeguineae

商業名ではフレッシュウォータークロコダイル

日本では「ニューギニアワニ」と呼ばれます。

イリエワニよりも腹部の斑が大きく、

正方形に近い形状が特徴です。

日本では古くから利用されてきたワニ革のひとつで、

バッグだけでなくベルト、時計バンド、財布など

幅広い製品に使われています。

ポロサスのような非常に細かな斑とは違い、

少し大きく存在感のある斑が並ぶところが魅力

ポロサスほどの知名度がなくても、

大きな面積を活かしたバッグなどは十分に価値があります。

③ ナイルワニ

Crocodylus niloticus

アフリカを代表するワニで、

現在流通する革の多くは養殖によるものです。

腹部には比較的細かな長方形の斑が整然と並び、

横腹へ行くにつれて丸みを帯びた形へ変化します。

バッグ、財布、ベルト、時計バンドなど幅広い製品に使用される高級素材です。

イリエワニと並んで高級クロコダイルとして扱われることも多く、

「ポロサスではないから安物」というわけではありません。

むしろナイルクロコならではの、

きちんと整った斑の美しさがあります。

中古品では、マット仕上げなら落ち着いた高級感、

光沢のある仕上げなら華やかな印象になります。

ノンブランドでも市場ではカラー次第で、

5万円以上の高値で取引されます。

④ シャムワニ

Crocodylus siamensis

タイ、ミャンマー、マレーシアなどに生息するワニで、

日本でも比較的知られているクロコダイル系素材です。

腹部の斑は長方形で、イリエワニに似ていますが、

やや大きめなのが特徴。

横腹に向かうと丸みのある斑へ変化します。

現在商業的に流通している革は養殖によるものが中心で、

タイやベトナムなどから輸出されています。

シャムクロコの魅力は、クロコダイルらしい美しい斑を持ちながら、

ポロサスとは違った少し力強い表情を楽しめること

バッグや財布など、比較的幅広い製品に利用されています。

⑤ ミシシッピーワニ(アメリカンアリゲーター)

Alligator mississippiensis

「アリゲーター」と聞いてまず思い浮かべたいのが、

このミシシッピーワニです。

アメリカ南部のルイジアナ州やフロリダ州などに生息し、養殖も盛んです。

クロコダイルとは分類上別の仲間ですが、

革製品では非常に高級な素材として扱われます。

腹部の斑はクロコダイルよりやや長めの長方形になる傾向があり、

斑の形を見るとクロコダイルとの違いを考えるヒントになります。

腹側だけでなく、背中のゴツゴツした凹凸を活かした「背ワニ」は、

カウボーイブーツなどにも使われます。

⑥ メガネカイマン

Caiman crocodilus

いわゆるカイマン革として流通する代表的なワニです。

業界では「バビラス」「石ワニ」などと呼ばれることもあります。

クロコダイルやアリゲーターと比べると皮に骨質部が多く、硬いのが特徴。

そのため従来は利用できる部分が限られていましたが、

近年は鞣し・仕上げ技術の向上によって、以前より柔らかく仕上げられるようになっています。

特に面白いのが、背中のゴツゴツした部分をそのまま活かした”「背ワニ」”。

クロコダイルの腹革とは全く違うワイルドな雰囲気があります。

比較的「クロコダイル=最高級」というイメージだけでは評価しにくい革で、

個性的なデザインのバッグやベルト、小物ではむしろ魅力になる素材です。

かつては和装バッグで、よく使われていました。

[背中と腹]

ファッション業界でたまに聞かれる腹ワニや背ワニ。

これらはどこから割って素材にしたのか、というシンプルなものです。

大まかな感じで以下に分類されます。

腹ワニ

ワニの背側から革を割いて、お腹側の細かく整った鱗を表面に使ったものです。

いわゆる「高級クロコダイルバッグ」と聞いて、多くの人がイメージするのはこちら。

斑が整然と並び、バッグの中央に左右対称に近い形で配置されると非常に美しくなります。

背ワニ

逆にワニの背中側の凹凸・硬い鱗を活かした革です。

こちらは腹ワニとは別物のような迫力があります。

特にカイマンやアリゲーターでは、背中の立体的な表情を活かした製品を見ることがあります。

アメリカ人が大好きな革です。

単なる型押しとワニ革の見分け方

ここで意外とわからないのが、

普通の牛革にクロコダイルの模様をつけた、

型押しバッグとクロコダイル革の見分け方です。

近年技術の向上により、普通の革でも本当にリアルなクロコダイル革に

仕上げることができるようになりました。

注意点として、型押し=偽物ではありません。

全く別物という考えが必要となります。

ちなみに、型押しとクロコダイル革を見分けるコツは、

以下の点に気をつければ後は数を持てばわかるようになります。

① 最初に「表示」を見る

実はこれが一番簡単です。

バッグの内側、ポケット、品質表示、タグなどを探します。

本物のワニ革なら

例えば、

  • クロコダイル
  • イリエワニ
  • ナイルワニ
  • シャムワニ
  • アリゲーター
  • カイマン

などの表示が考えられます。

日本皮革産業連合会では、イリエワニ、ニューギニアワニ、ナイルワニ、シャムワニは大分類として

「クロコダイル」、アリゲーターは「アリゲーター」、カイマンは「カイマン」とする

表示を適正としています。

一方、

「牛革」「牛革型押し」「クロコ型押し」「embossed leather」などなら、

まず「クロコダイルそのものではない」と考えます。

② 鱗の「大きさ」を見る

ここからが実物チェックです。

本物のクロコダイルは天然の皮ですから、

鱗の大きさや形に個体差があります。

例えば、

中央 → 大きめの四角い鱗

脇腹 → 丸みを帯びる

端 → 小さくなる

というように、場所によって表情が変化します。

日本皮革産業連合会も、イリエワニでは腹部の四角い鱗が整い、

横腹に向かうと丸くなっていくこと、ニューギニアワニでは

腹部の鱗がより大きいことを特徴として挙げています。

対して、型押しでは機械で押し当てるので、

同じ感じの鱗模様がただ続くのが特徴となります。

注意する点は、生き物のため必ず模様が違うだけ、

同じ感じの模様だけということではないことです。

③「穿孔(せんこう)」を見る

実は本物のクロコダイルの鱗には、

小さな点状の穴のようなものがあります。

これを穿孔と呼びます。

肉眼ではかなり小さいので、

スマートフォンのカメラを近づけて見ると分かりやすいです。

そして重要なのが、

クロコダイルの特徴として、この穿孔を確認できることがある

ということ。

一方、型押し革には当然ながら天然の穿孔はありません。

しかし、この穿孔の有無についてだけでは、

加工の段階や経年劣化で見えづらくなったりする場合もあります。

④ 鱗と鱗の「溝」を触る

これも見分ける有効なポイントとなります。

本物のワニ革は天然の皮なので、

鱗 → 溝 → 鱗 → 溝

の深さや柔らかさに微妙な違いがあります。

一方、型押しでは金型によって均一な溝を作るため、規則的になりやすいです。

さらに革を軽く曲げてみると、型押し革では溝の部分が浅く見えたり、

模様がつぶれたりすることがあるとされています。

あわせて、鱗を横から見るのも有効です。

本物は鱗一枚一枚が立体的に見えるのです。

対して、型押しは一種の絵なので、平面に見えることがあります。

⑤「革の裏側」を見る

バッグなら、

  • ポケットの内側
  • ファスナー周辺
  • 角の折り返し
  • 持ち手の裏
  • バッグ内部
  • 補修部分

などを探します。

もし革の断面や裏側が確認できれば、かなり有力な判断材料になります。

JRAのサイトでは、そこを顕微鏡で確認することと記載されているくらい、

リアルに作られるので、これらの見分け方を総合的に判断するのが

重要です。

日本のクロコと海外のクロコどっちが高い?

ここで、日本と海外での相場や売れ筋カラーなどを

まとめます。

それぞれ特徴があり、魅力が存在します。

結論からいうと、

日本=「本物のクロコ+きちんとした高級感」が評価されやすい
海外=「本物であること」に加えて、ヴィンテージ感・個性・色・デザインを楽しむ市場がかなり大きい

という傾向が見えます。

ただし、海外は国によってもかなり違うので、

今回は主に日本 vs 米国・欧州系の海外中古市場として考えます。

まず、日本のクロコバッグ市場

国内の相場では、「クロコダイル=数万円以上」ではない

ということ。

本物でも、無名ブランド、古いモデル、小型バッグ、状態不良などでは

かなり安く落札されています。

一方で、JRA認定品やブランド品、

状態の良いバッグになると数万円以上に上がっていきます。

メルカリでも、例えばJRA認定クロコダイルのブラックバッグが15,200円、

JRA認証のブラウンのリアルクロコダイル2WAYバッグが16,700円、

新品JRAのgenuine crocodile skinバッグが34,800円など、かなり幅があります。

日本で強い色は?

ここはかなり分かりやすいです。

1位 ブラック

ブラック × シャイニングクロコ × ゴールド金具

は、かなり「日本の高級バッグらしい」組み合わせ。

冠婚葬祭、フォーマル、仕事、年配層の普段使いまで対応のが強みです。

2位 ブラウン

ヴィンテージバッグとの相性が良く、

海外でも強い色なので、国内外両方を狙えるカラーだと思います。

3位 ネイビー・グレー系

特に男性向けやカジュアルなバッグでは、

ブラック → ネイビー → ブラウン

という選択肢が作りやすいです。

では海外はどうなのか?

海外の中古市場では、ブラックとブラウンがやはり非常に強い

これは日本と共通しています。

ただし海外では、

「クロコだからブラック」

というより、

「ヴィンテージクロコだからブラウン」

という売れ方もかなりあります。

海外では「ヴィンテージ」が意外に強い

今回eBayの実売を見ると、これがかなり面白いです。

例えば、

1950~60年代のブラック・アリゲーターバッグ → US$78

という実売例があります。

一方、

1950年代のブラウン・アリゲーターバッグ → US$99.99

という例もあります。

さらに、

1940年代のブラウン・クロコダイル/アリゲータークラッチ → US$132

という実売例もあります。

そして別のヴィンテージブラウン・クロコダイルバッグでは、

US$140

で売れています。

つまり海外では、

古い=マイナス

ではなく、

古い+本物のクロコ+デザインが良い=ヴィンテージとして評価

という市場があります。

これは日本の中古市場とは少し感覚が違います。

ノンブランドのクロコの見分け方

ここでかつてJRAの講習で教えてもらった、

簡単な高いバッグの見分け方についてまとめます。

1.内装がナイロン→レザー→スエード→ベロアの順番に高い

やすい和装クロコダイルのバッグの内側は、

ナイロンかレザーが多いことに対して、

エルメスなどハイブランドなど高級なものは、ベロアなど高級な素材で

作られます。

2.海外生まれのカラフルなものが人気が高い

実は昔は日本のクロコダイル革の加工技術は、

海外より劣っていました。そのため、ビンテージなクロコダイルかつ

カラフルで、海外製なら間違いなく数百万以上する本物の高級品です。

3.金具の細工を見逃さない

実はかなぐにも細かな細工が施されている場合は、

思ったよりも高い場合があります。

実家で見かけたら、とりあえずレンズを通しましょう。

4.ハイブランドではエルメスが別格

じつは、ハイブランドでもクロコダイルを使ったバッグは作られています。

しかし、中古で数百万するものはエルメスのバーキン以外では、

あまりお目にかかれません。=偽物も多いので気をつけましょう。

一応、縫製が雑だと基本偽物と判断しても良いと思います。

まとめ

自分はクロコダイル革のバッグを作る文化自体は、

細々でもよいので歴史を伝えるという意味で

続けるのが良いと思います。

また、中古でもかなり良いものがたくさんあるので、

そちらを大切に保護することが限りある資源を守り、

自然を守ることにつながると考えています。

当社では、クロコダイル革にまつわる品物について、

出張買取、オークション代行します。

お気軽にお問い合わせください。