蔵書7000冊が4万円。古本買取の現実と、1円でも高く売る方法

川崎市宮前区で、不用品買取や大人の断捨離を支援する”ものと人生の水先案内人アニー堂です。田園都市線梶が谷駅から、鷺沼駅行バスで10分、東横線武蔵小杉駅から野川台公園行バスで20分上野川のバス停付近で、個人の古物商として活動しています。

けさTwitterでもまとめました、ヤフーニュースの”蔵書7000冊が4万円”についてを深掘りします。この方は、大量の本を持ち込んで4万円にしかならないとぼやいていましたが、果たして彼は被害者なのでしょうか?今回は、古物商の目線で、とうすれば、彼の買取額が上がったのか私なりに考えてみました。

蔵書7000冊が4万円の理由(推測)

この方は、主に現代作家の文庫本が好きで、高橋源一郎、阿部和重、中原昌也、綿矢りさ、絲山秋子、柴崎友香先生という、定番からマニアックまで幅広く集めていて、まさに本の虫です。

一見すると高くなることが約束された気がします。しかし、店頭では売値が10円~数百円となります。現実は残酷です。なぜなら、この手の本特に文庫本は、何度も重版され世の中にあふれていて、ほぼ欲しい人の手にわたっていて、中古では見向きもされないからです。例外的に、後述する江戸時代の春画集や明治の文豪たちの初版本など、骨董品となります。

ちなみに、高橋源一郎氏でヤフオクを調べたところ、取引数は、105件、平均 697円、最高 5,810円で最高落札された品物は、”優雅で感傷的な日本野球”です。ハードカバーに初版、帯付きおまけにサイン入りです。これくらいあっても、欲しい人が少なければ相場は形成されません。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a3a852a03d7fa4c41b3b95f7aa75ed6e8ae3f141

古本屋の現実

続いて、とある知り合いの古本屋のボヤキです。彼がとあるお宅を片付けました。そこにはたくさんの古いマンガが、ありました。しかし、その大半が歯抜け。歯抜けになると、ネットでも販売は難しく、売れても数円程度。この本たちを出品して、梱包をするのはコストが嵩むので、泣く泣く処分することになりました。基本処理にはお金はかからないパターンもありますが、買い取りなどの人件費などで、利益は消えて、場合によってはマイナスです。

1円でも高く本を売る方法

ならこの人がもし一円でも高く本を売るにはどうするればいいのか?と思います。私としてできるアドバイスは、まとめて持ってゆくのではなく、できれば作家ごとに仕分けましょう。そして一気に7000冊を持っていくのではなく、1年単位で少しづつ何度も持ち込みましょう。

そうすれば、古本屋もちゃんと答えてくれます。逆に、売るときに手を抜くと、我々も人間。感情はあります。小規模の古書店は店員も少なく、大半が売れない本となれば、まとめていくらと値段をつけざるを得なくなります。少し面倒かと思いますが、片付けは計画的にしましょう。

文庫本VSハードカバーヤフオク相場

では、純粋に文庫本とハードカバーで中古相場対決したいと思います。

まずは文庫本です。

取引数は、8,654件、平均 1,002円、最高 61,000円です。最高落札された品物は、メタルマックスの原画集と時代不明な春画などの画集となります。特に春画の本は希少本という骨董品の類となるので、納得の価格ですが、殆どが1000円以下の品物が大半です。

つづいて、ハードカバーでもまとめました。

取引数は、3,427件、平均 2,727円、最高 99,900円です。最高落札された品物は、あの東野圭吾の1989年に発売された眠りの森の初版帯付サイン入りです。有名作品ひしめく東の作品の中でも、少しマニアックです。しかもかなり綺麗でおそらく保管にも最新の注意を払っていたと思います。

まとめ

改めて、調べてみてやはり古本を取り扱うのは、苦労が耐えないと思います。正直やすいと言われてしまうことも多いですが、残念ながら高い本は殆ど出ませんしまとめ売りはこちらの労力を考えると、安くなるのはしょうがないと思ってほしいです。お互い歩み寄り、win winなリサイクルライフを送りましょう。