パソコンを使う時に、一度はお世話になった秀和システムの本。今回は、この会社について衝撃的なニュースを見て、色々と深堀りします

川崎市宮前区で、

不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。

田園都市線梶が谷駅から、

鷺沼駅行バスで10分、

東横線武蔵小杉駅から

野川台公園行バスで20分

上野川のバス停付近で、

個人の古物商として活動しています。

本日IT系書籍出版大手”秀和システム”が、

“法的整理”を取るというニュースが話題となりました。

今回は、この昭和から平成にかけて、

IT系技術者育成やIT技術の発展に貢献した、

“秀和システム”について、

色々と深堀りします。

秀和システムについて

まずは、この秀和システムの歴史をまとめ、

さらにこの法的整理について深堀りします。

[秀和システムの歴史]

1981年(昭和56年):

「秀和システムトレーディング株式会社」として設立。

1981年7月:

NEC PC-8001専用 「PCC-3200高速カセットインターフェース」を発売し、

コンピュータ周辺機器の開発、

販売事業を開始 します。

ここから当時のパソコン周辺機器を中心に、

複数開発しました。今で言うところの、

ガジェットに強い会社です。

1988年頃:

はじめてシリーズやパーフェクトマスターを手掛け、

徐々にパソコン書籍のレパートリーが増えます。

1995年:

商号を今の”秀和システム”に変更しました。

1998年:

何故かあのプレイステーションに参入し、

“グラニュー島!大冒険”を発売するなど迷走?

するも、Linuxの雑誌など王道のパソコン専門誌を

扱っていました。

2000年代以降:

たくさんの書籍を出し続けるも、

MCJの子会社になるなど、

波乱万丈の経営が続きます。

それでも、書籍は出し続けていました。

2021年

以前記事にした、北米テレビの雄”船井電機”を、

TOBで買収しました。一見すると経営は順調にも

思えましたが、、、。

2025年7月1日:

経営不振で、本が作れなくなり他社に売却する

と発表しました。

[法的整理とは]

ここで、この法的整理についても軽くまとめます。

簡単にいうと、会社が自力で借金を返せず経営が立ち行かなくなったときに、

弁護士などの専門家が関与して整理・立て直しや、

清算を進めるための法的な手続きです。

主な目的:

債権者に対し、何らかの形で返済を行うこと

会社の財産や事業を再構築したり、

第三者に譲渡して事業継続を図る

最悪の場合は清算・破産へと進む可能性もある

秀和システムの場合

1. 債務超過に陥る

東京商工リサーチによると、

2024年3月期末時点で負債総額は約18億9300万円に達しており、

出版事業を続けるのが難しくなったと報じられています。

2. 弁護士へ一任

2025年7月1日付で、

秀和システムは法的整理を弁護士に一任したとの通知を取引先へ発送。

これは「もう自分たちでは返済の見通しが立たないので、

本格的に整理手続きを進めます」という宣言です。

3. 出版事業の譲渡を検討

同時に、出版事業を他社に譲渡する方向で調整に入っていると報じられています 。

これは、会社全体が消滅するわけではなく、

主力の出版部門を誰かに引き継ぐ可能性を示しています。

なぜこんなことになったの?

1.出版不況と紙書籍の需要減

デジタル化の進展により、IT・パソコン系の紙書籍の市場が縮小。

特に初心者向けの情報は、

紙からネットやYouTubeに完全にお株を奪われる形となりました。

2.返本の増加

書店から「売れなかった本が戻った」という返品が相次ぎ、

資金繰りが悪化。これは、他の出版物についても同様です。

3.グループ企業の負債影響

秀和システムはFUNAIグループの中枢と言われていましたが、

グループ内でのトラブル(ミュゼプラチナムとの関係など)

も重荷となったようです

やはりこのTOBは間違いではと、思ってしまいました。

今後の見通し

しかし、出版事業の譲渡が正式に決まれば、

青いカバーのIT書籍は別の出版社から再刊される可能性もあります。

一方で、会社そのものは整理対象となるため、

全体としては縮小・再編される方向です。

著者や取引先への連絡もすでに始まっており、

今後どのような形で事業やブランドが継承されるかが焦点です。

代表的な製品

秀和システムの代表的な書籍について、

まとめます。

90年代から2000年代初頭は、

この本が、ほぼ必ずIT企業のオフィスの書棚に

あると言ってもいいくらいでした。

秀和システムの書籍は、

とにかく「わかりやすく・やさしく・やる気を引き出す」

のが特徴。

たとえばこんなシリーズが人気でした:

– 『いちばんやさしい○○の本』シリーズ
→ 初心者向けにパソコンやプログラミングを解説。

「Excel」「HTML」「C言語」など、ジャンルも豊富。

– 『基礎から学ぶ○○』シリーズ
→ IT技術者や大学生向け。

体系的に学べる内容で、情報処理技術者試験対策にも強かった。

– 『できる○○』シリーズ(※初期は秀和システムが制作協力)
→ 実践を重視した形式で、

初心者からの支持が厚かった。

– プログラミング書籍:

C、C++、Java、Visual Basic、PHP、Perlなど初期インターネット時代を牽引。

[秀和システムの書籍と触れ合うには]

秀和システムの書籍は、

今でも図書館や中古書店、電子書籍ストアで手に入るものもあります。

そして、秀和システムが示してくれた

「やさしいIT教育の在り方」は、

次の世代へも受け継がれるはずです。

もし君が古本屋で青いカバーの『C言語入門』を見つけたら、

それは先輩たちの「はじまりの一冊」かもしれません。

秀和システムだけじゃない!ITを支える書籍達

いまでもIT関係の本は、たくさん存在しています。

そして、いまでもしっかりした技術者は、

毎月数万円は本を買って勉強していると思います。

おそらく一流のIT系YouTuberも同じことをしていると、

思います。

この章では、IT系の書籍を出版している企業について、

国内外で三社づつまとめます。

日本の出版社(IT系に強い3社)

1.翔泳社(Shōeisha)
IT・ビジネス・資格書など幅広く手がける大手出版社です。

SEshopという直販サイトも運営し、

IT書の電子版や紙本を幅広く流通させています。

ここの本も、安心して使えるものが多いです。

2.技術評論社(Gijutsu-Hyoronsha)
技術書や専門誌に定評があります。

Gihyo Digital Publishingとして電子書籍にも力を入れており、

開発者向けの本で広く知られています。

どちらかというと、ムックや雑誌社のイメージが強いです。

3.インプレス(Impress)
NTTデータなどと協業し、

プログラミングやクラウド、

セキュリティなどのIT実用書を多数出版。

特にAWSやPython入門などの書籍が最新技術にも対応しています 。

おそらく今日本で一番最新技術に詳しい会社の一つかもしれません。

    海外の出版社(IT系に強い3社)

    1.Packt Publishing(イギリス)
    2004年設立、6,500以上のIT関連書籍を出版。

    特にクラウド、サーバー、開発ツールなどの実務書が豊富。

    定期的に新トピックを募集しています。

    このあたりを使いこなせる技術者は、

    有段者と言ってもいいと思います。

    2.Routledge & CRC Press(Taylor & Francis傘下、イギリス・米国)
    学術寄りではありますが、

    ビッグデータや認知コンピューティングなど

    最先端のIT分野の書籍を多く出版しています。

    こちらも、かなりマニアックな情報をまとめる会社です。

    3.O’Reilly Media(米国/日本ではオライリー・ジャパン)
    実用的なプログラミング書、

    電子書籍、Web API やDevOps関連書を多数出版。

    日本国内でも翻訳や電子版が広く流通しています。

    これこそできる?IT技術者のバイブルです。

    一部の本は分厚すぎて、武器にできるくらいです。

    秀和システムにまつわる中古相場

    いつものように、ヤフオク直近180日の落札相場を調べてみました。

    “秀和システム”で検索しました。

    取引数は213件、平均 2,282円、最高 20,000円でした。

    最高落札された品物は、

     PC-8801mkIISRと、X68000 エミュレータ技術の本です。

    これからも、こういう渋い本は永遠にプレミア商品です。

    まとめ

    実は自分もITの仕事をしたくて、

    この会社の本にはお世話になりました。

    結局プログラムやルーターなどの技術を、

    仕事にはできませんでしたが、

    今もITを活用して仕事を続けています。

    当社では、ITにまつわる書籍についても、

    出張買取、オークション代行します。

    気軽に、お申し付けください。