川崎市宮前区で、不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。
個人の古物商として活動しています。
今日東京都美術館にて、美術鑑賞しました。
大映博物館収蔵品である襖絵と、
青森の旧家に残された襖絵が、
150年ぶりに一緒に展示されています。
今回は、古い家の片付けをする時に意外と出てくる建具について、
処分方法などをまとめました。
大映博物館展を見て
多分8月の頭くらいに、NHKの特集で大映博物館に収蔵されていた
狩野派の大作秋冬花鳥図襖の続き絵が、
青森の旧家宮越家にあった春景花鳥図であることが判明し、
約150年ぶりに一緒に展示されました。
ちなみに、かなり混雑していてチケットを買うのに20分、
入るのに20分かかりました。
中は、メインの襖絵を中心に大映博物館に収蔵されていた、
歌麿、北斎、洒落などの日本が誇る、
浮世絵の巨匠の作品が沢山展示されていました。
個人的にはネタ帳や、浮世絵として擦られていない版画など
かなり貴重な品物を、
2時間近くかけてじっくりと見て回ることが出来ました。
もちろん、目的の襖絵もその存在感に圧倒されました。
2300円で本物をたっぷり見ることが出来たのは、
とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
ちなみに、襖などは建具と呼ばれています。
今回は建具がある実家の建具の年代ごとの種類と処分方法
などを深堀りします。





建具とは?
まずは、建具とはどのようなものかあらためて、
まとめたいと思います。
古い家にある「建具」には何がある?
まず「建具」という言葉から整理しましょう。
建具とは、簡単にいうと、部屋と部屋、部屋と外などを仕切ったり、
開閉したりするための部材です。
古い日本家屋では、現在の住宅よりもはるかに多くの種類があります。
| 建具 | 役割・特徴 | 古い家でのチェックポイント |
|---|---|---|
| 襖(ふすま) | 部屋の仕切り | 襖絵・書・落款など |
| 障子 | 採光・間仕切り | 組子、桟、雪見障子など |
| 欄間(らんま) | 部屋上部の装飾・通風 | 彫刻・透かし彫り |
| 書院障子 | 書院造の窓・建具 | 組子や意匠 |
| 雨戸 | 防風・防雨・防犯 | 古い板戸は材料としても注目 |
| 板戸 | 木製の開き戸・引き戸 | 絵や彫刻がある場合は要注意 |
| 格子戸 | 玄関・縁側など | 地域・年代で意匠が違う |
| ガラス戸 | 縁側など | 古いガラスに価値が出ることも |
| 網戸 | 虫よけ | 比較的新しいものが多い |
| 戸袋 | 雨戸を収納 | 古民家では大型になることも |
| 蔵戸 | 蔵の入口 | 重厚な木製・金具付き |
| 玄関戸 | 建物の入口 | 欄間・ガラス・金具などに注目 |
| 舞良戸(まいらど) | 横桟を使った板戸 | 古民家らしい建具 |
| 明障子 | 障子紙を張った建具 | 組子の細工を見る |
| 雪見障子 | 下部がガラスになった障子 | 古い住宅で比較的よく見る |
そして、片付けの現場で特に面白いのが、
「建具そのものより、そこに使われている細工や絵に価値があるケース」
です。
① 襖は「ただの古い板」だと思わない
古い家の片付けで最初に注意したいのが襖です。
普通の襖なら処分対象になることも多いですが、
作者名・落款があったり絵が書かれていたりなどを見かけたら、
いったん処分はストップです。
今回の宮越家の襖絵がまさにその典型です。
一枚だけ見れば「古い襖」でも、実際には複数枚で一つの空間を構成していました。
さらに今回のケースでは、絵の特徴だけではなく、
引き手のデザインも一致していたことが調査の手掛かりになっています。
これは古い家の片付けでも非常に重要な視点です。
② 障子も意外と奥が深い
障子は比較的「捨てるもの」というイメージがあります。
実際、一般家庭の古い障子なら処分対象になることも多いでしょう。
でも、古い家の場合は、
桟(さん)や組子に細かい細工がある場合は、
特に古民家では、建具職人が手作業で作ったものの証であり、
建物を解体すると二度と同じものを作れないというケースがあります。
③ 欄間はかなり要注意
個人的には、古い家の片付けで”欄間は特に「即処分しないほうがいい建具」”だと思います。
欄間は、部屋と部屋の間の上部に取り付けられているもの。
特に透かし彫りや彫刻が細かいものは、一度捨ててしまうと戻ってきません。
また、欄間は比較的コンパクトなので、
古民家再生や店舗の内装などで再利用される可能性もあります。
④ 古い「板戸」も要チェック
古い家には、襖ではなく板戸が使われていることがあります。
これも、
「古い木のドアだから廃材」
と判断するのはちょっと早いです。
例えば、家紋が入っていたり、彫刻が施されていたりなどあると、
古い建具そのものをインテリアとして再利用する需要があります。
⑤ 蔵戸は別格で考えたほうがいい
もし片付け現場で巨大な木製の扉を見つけたら、
「これは何だ?」
と一度確認したほうがいいです。
非常に重いので処分する場合は大変ですが、
逆に言えば再利用目的で欲しい人がいる可能性がある建具でもあります。

年代ごとの建具について
ちなみに建具は、年代ごとに異なる素材で作られ、
デザインもちがいます。
ここから、年代ごとに建具について一覧を作ります。
結論からいうと、襖・障子・欄間・板戸などが昔のまま残っている家は、
築50年以上は珍しくなく、
特に「古民家らしい建具」がまとまって残っている家なら、
築70~100年以上、場合によっては江戸~明治期の建物もあります。
ただし、建物の築年数=建具の年代ではないところが重要です。
ざっくり年代別に見ると
| 建築年代 | 現在から見た築年数 | 建具の残り方・特徴 |
|---|---|---|
| 昭和40~50年代 | 約50~60年 | 襖・障子は残っていても比較的現代的 |
| 昭和20~30年代 | 約70~80年 | 昔ながらの襖・障子・板戸が増える |
| 大正~昭和初期 | 約90~110年 | 欄間、書院、ガラス戸などが残る家も |
| 明治時代 | 約110~160年 | 建具の意匠がかなり面白くなる |
| 江戸時代 | 約160~400年 | 旧家・庄屋・商家など。建具自体が歴史資料になることも |
そもそも「古民家」には厳密な法的定義はありませんが、
一般には築50年以上を目安にする説明が多く、
全国古民家再生協会は現在、
1950年(昭和25年)の建築基準法制定以前に建てられた伝統構法の住宅を古民家としています。
面白いのは「100年前の家=100年前の建具」ではないこと
例えば、
明治40年(1907年)築の家
があったとしても、後の時代に手直ししたということは、
普通にあります。
逆に、
昭和初期に建てられた家に、江戸後期の建具が移築されている
なんてこともあり得ます。
つまり、
家の築年数と建具の年代は別々に考える
のが正解です。
「かなり古そう」と判断するポイント
現場で建具を見たとき、私なら次の順番で見ます。
① 襖の引き手
今回の大英博物館展の話がまさにこれ。
普通なら見逃してしまう小さな金具ですが、
- 古い意匠
- 家紋
- 特殊な形
- 他の部屋と同じデザイン
などがあれば、建具がセットで作られた可能性があります。
今回の襖絵でも、引き手のデザインが作品同定の重要な手掛かりになりました。
② 障子の「組子」
細かい組子が入った障子は要チェックです。
特に、
「これ、今の職人さんが作ったものとはちょっと違うな」
と感じる細工。
これは年代を推定する材料になります。
③ ガラス
これは古い家の片付けでは結構面白いところです。
大正~昭和初期の建物では、現在の均質なガラスとは違う、
揺らぎや気泡のある古いガラスが使われていることがあります。
木枠+古いガラス+昔の金具。
この組み合わせになると、単なる「古い窓」ではなく、
古建具として再利用する価値が出てくる場合があります。
築古物件を扱う大家さんの中には、あえて古いものを探して取り付ける人もいます。
④ 欄間
これはかなり分かりやすいです。
彫刻や透かし彫りがある場合、
- 建築年代
- 地域
- 家格
- 職人
- 建物の用途
などを考える材料になります。
庄屋屋敷や旧家などでは、かなり凝ったものがあります。
文化庁の重要文化財の「民家」だけを見ても、江戸時代のものが多数残されています。
そして「築100年」は意外と珍しくない
例えば2026年現在なら、
1926年=大正15年/昭和元年
です。
つまり、
「築100年の家」
と言っても、ものすごく特殊な年代というわけではありません。
一方で、江戸時代の建物がそのまま残っているとなると一気に話が変わります。
実際、文化庁は2026年に、兵庫県の箱木家住宅を、
14世紀頃の現存最古の民家として国宝に指定する答申を出しています。
旧古井家住宅も15世紀の建築とされています。
もちろん、一般の実家の片付けでこんな年代の家に遭遇することは極めて稀ですが、
「古い家だから全部同じ」ではない
ということですね。
片付け屋目線なら「建具から家の年代を読む」
これ、かなり面白いテーマだと思います。
例えば現場で、
太い梁+土壁+土間+縁側+襖+障子+欄間+古いガラス戸
が揃っていたら、
「これは単なる築50~60年の古い家」というより、戦前、場合によっては明治期まで遡る可能性を考える。

では、古い建具はどうやって処分する?
ここから建具の処分方法について、まとめます。
① 自治体の粗大ごみ
もっとも一般的です。
例えば川崎市では、襖・網戸・雨戸・畳・窓枠などが
「建具類」として粗大ごみに分類されています。
5枚までを1個として扱う品目もあります。
180cm以上のものについては、
障子などが1,200円の例として掲載されています。
実際の料金は申込時に確認する必要があります。
つまり、
「襖だから粗大ごみに出せない」わけではありません。
ただし、古い家では大量に出ることがあります。
② 自分で解体して処分
木製建具の場合、
- 木枠
- 紙
- ガラス
- 金具
などに分解できる場合があります。
ただし、自治体によって分別方法が違うので、
「解体すれば普通ごみになる」
とは限りません。
また、古い建具はガラスが入っていることもあるので、無理な解体は危険です。
③ 不用品回収業者
大量にある場合はこちら。
特に、
- 襖20枚
- 障子15枚
- 雨戸10枚
- 畳30枚
- 古家具
- 家電
- 雑品
などが一緒に出てくる「実家丸ごと片付け」では、
自治体の粗大ごみだけでは対応しづらいことがあります。
ただし、「何でも無料回収」などをうたう業者には注意したほうがいいです。
④ 古建具として売却・譲渡
これが今回のテーマでは一番面白いところ。
古い建具には、
「処分する」以外に「売る・譲る」
という選択肢があります。
例えば、
- 古民家再生
- 店舗内装
- カフェ
- 飲食店
- 撮影スタジオ
- リノベーション
- インテリア
- 庭の門
- DIY
などで使われます。
特に、
古いガラス戸+木枠
は現代住宅の建具とは違った雰囲気があります。
片付けの思い出
ここで約3年近く前に知り合いの親戚の家の片付けをした際の思い出を語ります。
その家は大森周辺で、第二次世界大戦の東京大空襲を生き残った
貴重な一軒でした。
隣はガラス工場で2階には、かなり古い汲み取り式トイレや、
すりガラスが入った扉。欄間などかなり古いものがたくさんありました。
隣の家屋部分も同じくらい古く、
家を歩くだけで歴史を感じました。
中に残された品物も、贈答品の山やおもちゃなど、
そこまで高いものではないが、その家が最近まで生きていた
証を拾うこととなりました。
やはり、古い家が面白い。その一言に尽きる片付けでした。
まとめ
今日は、貴重な美術品をたくさん見ることが出来ました。
自分以外にもおそらく骨董のプロと思われる人物を、
何人か見かけました。
ひょっとしたら、昔の市場で見たかな?という人もいました。
勉強は生涯必要です。
当社も、建具の処分について一緒にオトクな方法を、
考えます。お気軽にお問い合わせください。