川崎市宮前区で、
不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。
田園都市線梶が谷駅から、
鷺沼駅行バスで10分、
東横線武蔵小杉駅から
野川台公園行バスで20分
上野川のバス停付近で、
個人の古物商として活動しています。
この前の交換会シリーズも大詰め。
ここでは大人の胸くらいの高さな、
手頃な大きさの婚礼箪笥もいけます。
今回は嫁入り道具としての、
婚礼タンスの歴史と、
お得に安全に処分する方法に、
ついて深堀りします。
婚礼箪笥とは
世界中で結婚時に、
新婦側が嫁ぐ娘や新郎側が
プレゼントを贈る風習は
今もなお存在しています。
アフリカの一部地域では牛、
中国では家(新郎側)など様々な形があります。
日本でもかつては、
新婦に箪笥などを送る習慣がありました。
[婚礼タンスとは]結婚の際に嫁入り道具として新婦側に贈られる、
和ダンス、洋服ダンス、整理タンスなどを、
組み合わせた家具一式のことです。
ちなみに、名古屋は日本で一番派手な婚礼の習慣を持つと言われ、
3人姉妹がいると、
それだけで家が傾くと言われていました。
それくらい、結婚式などに命をかけていました。
次章では、なぜ嫁入り道具として箪笥が送られるようになったのか?
その歴史の始まりと終焉までを紹介します。
嫁入り道具としての婚礼箪笥の歴史~始まりから終焉~
嫁入り道具の王様として君臨していた、
婚礼箪笥。
その習慣の誕生から終焉まで見てゆきましょう。
[誕生]箪笥そのものの普及・起源:
一般家庭に箪笥が広まったのは、
江戸時代の初期、具体的には1661〜1673年(寛文年間ごろ)に大阪で誕生し、
1711〜1716年(正徳〜享保年間)頃から普及したとされています。
それ以前は「長持(ながもち)」や「行李(こうり)」といった箱状の収納具が主でした。
ちなみに、長持や行李はまれに道具市場や世田谷ボロ市でも見られます。
嫁入り道具としての箪笥:
庶民でも箪笥が嫁入り道具とされるのは、
明治以降です。
特に桐の箪笥(桐たんす)は、
軽くて丈夫、防湿・防虫性に優れることから、
女の子が生まれると育つ桐を植えて、
成長した頃に、その木でタンスを作り、
嫁入りに持たせる風習がありました。
確かに本当に良い桐たんすは、
状態次第で今でも数百万くらいで取引される場合もあります。
婚家に持参する嫁入り道具としての意義:
「嫁入り道具」は、
嫁ぐ娘が親元から新居へ持参する家財道具のこと。
婚礼家具(タンス)、鏡台、婚礼布団など、
新生活を支える品々が含まれました。
昭和40年代から50年代初頭くらいまで、
日本中で嫁入り道具を送る習慣が、
続いていました。
[嫁入り道具の衰退]1980〜2000年前後までの継続:
関東でも80年代までは、
2DKといった狭い新居でも、
婚礼家具が揃えるのが、
「常識」といわれていました。
2000年前後でも、
地方ではまだ大型トラックで、
婚礼家具が搬入されたという記憶が語られています。
しかし、持ち家からマンションに住環境が変化し、
徐々に大きな箪笥が不要となり始めたのが、
平成中期である90年代。
個人的な推測ですが、衰退が本格的に始まったのは
95年の阪神・淡路大震災だと思います。
あの震災で箪笥の下敷きになり、
なくなる事例が多発したのがきっかけで、
大きな家具そのものを避ける傾向が生まれたと思います。
2000年代以降の急速な変化:
2000年代初頭から、家自体に収納が増えました。
クローゼットや、
ウォークインクローゼットの普及により、
箪笥が必要とされなくなり、
婚礼家具の習慣が急速に薄れていきました。

婚礼ダンスなど嫁入り道具の種類
主な、婚礼箪笥の種類と、
有名なメーカーなどをまとめます。
[代表的なタイプ]
和(衣裳)タンス:
観音開きの内部に浅い「衣裳盆」を重ね、
着物をたとう紙のまま平置き保管。
帯・小物用の盆を分ける仕様も一般的です。
洋服タンス:
ハンガーパイプで吊るす収納が主。
扉裏にミラーや小物掛けを備えることも。
整理タンス:
深さの異なる引き出しが並ぶチェスト型。
着物をあまり着ない家庭では保管向きとされます。
ちなみに府中家具の婚礼箪笥は、
洋服と整理タンスをネジで止める、
かなり大型なものを作っていました。
[素材の定番]
桐(きり):
軽くて吸湿・放湿性が高く、
密閉度の高い作りと相まって中身を湿気から守るため、
着物用タンスの王道です。
表面を削って“洗い直し”できるのも長所。
欅(けやき)等の広葉樹+漆:
堅牢で意匠金具や漆塗りが映える、
「時代箪笥」系(仙台箪笥・岩谷堂箪笥など)。
[有名な生産地(伝統工芸の系譜)]
桐箪笥の名産地
新潟・加茂「加茂桐簞笥」:
19世紀初頭に始まり、
桐の無垢板・木釘・やしゃぶし着色など厳格な技法を継承。
大阪・泉州「大阪泉州桐箪笥」:
府の伝統工芸。和タンス・小袖タンス・洋服タンスなど、
多彩な型を産する。組合が現役で製作・販売。
欅・漆塗りの金具箪笥
宮城・仙台「仙台箪笥」:
重厚な欅材と漆塗り、飾り金具が特徴。県公式ページが歴史と魅力を紹介。
岩手・奥州「岩谷堂箪笥」:
欅や桐を使い、漆と南部鉄器由来の金具で意匠。市公式が産地情報を公開。
福井「越前箪笥」:
鉄製金具と漆の意匠が映える北陸の名工芸。
[婚礼セット家具”を牽引した量産産地(戦後〜)]
広島・府中:
産地ぐるみで婚礼3点セットを日本に先駆けて開発し、
木目と意匠を統一したセット提案で全国ブランドに。
産地組合が歴史を詳述。
福岡・大川:
戦後の結婚・新築ラッシュで一大産地に成長。
産業会館の展示会を起点に全国流通の拠点へ。
(※ほかに旭川・新潟なども主要産地として家具セットを供給していました。)
代表的なメーカー/組合(例)
大阪泉州桐箪笥製造協同組合:
大阪府の公式サイトで製品紹介・工房情報を公開。
岩谷堂箪笥生産協同組合(岩手・奥州市):
産地公式が歴史・仕様・購入情報を案内。
府中家具工業協同組合(広島・府中):
地域団体商標「府中家具」を運営し、
産地の歴史や組合員情報を掲載。
(桐箪笥の個別工房としては加茂など各産地に専門工房があり、
青山スクエアの工芸品ページから作り手情報に当たれます。)

お得に婚礼タンスを処分する方法。
婚礼箪笥を一言で言い表しますと、
「デカい!!説明不要」です。
その大きさは大きなもので、高さ190センチ以上あります。
なので、どんなに力が強くても、
大人一人では運び出しは不可能です。
知り合いの手伝いで、
大きな婚礼家具を2階から
おろしたときは三人がかりで、
毛布と階段の手すりを利用して
宙返りさせました。
こんな巨体をお得に片付ける方法について、
まとめます。
① 自治体による粗大ゴミ回収
自治体に申し込んで戸別回収してもらう方法。
費用はおおむね 1,000〜3,000円程度とリーズナブルです。
川崎市では、1200円で箪笥を粗大ごみに出せます。
また、地域によっては持ち込み限定ですが、
クリーンセンターに持ち込めば 無料〜1,000円程度、
あるいは地域によっては、自力で処分口まで投下できれば、
さらに安く処分できる場合もあります。
メリット:費用が安く公的サービスなので安心して頼れます。
デメリット:自力で運び出す必要があること、
回収日が指定されて待つ必要がある場合も多い。
特にお盆明けなどは、すぐに枠が埋まります。
② リサイクルショップ
状態がよければ、
リサイクルショップに出張買取してもらえる可能性があります。
運び出しの手間も省けます。
メリット:運び出す人工も出してもらえる可能性が高いです。
デメリット:状態が良くないとその場で断れれることも。
③メルカリ、ジモティーなどのフリマ・譲渡サイトを使えば、
処分どころか利益を得られることも。
販売に手間はかかりますが“無料以上のお得”が狙えます。
メリット:素早く取りに来てくれることも
デメリット:悪戯入札にヤキモキしたり、
そもそも技量不足で、家や箪笥を破壊する危険性が伴う。
④ 家具販売店の引き取りサービスを利用
新しい家具を購入する際に、
古いタンスを引き取ってくれるサービスを行っている業者があります。
– ニトリ:4,000円(税別)〜
– 無印良品:3,000円(税込)〜
メリット:新しい家具と同時に回収してもらえるので、入れ替えがスムーズ
デメリット:購入条件があることや店舗によって価格に差がある点に注意
⑤ 不用品回収業者に依頼する
自宅まで引き取りに来てくれるため、一番手間がかからず楽です。
費用の相場は箪笥一つにつきやすくて5,000円〜8,000円程度。
地域や業者によっては8,000〜10,000円に達するケースも。
メリット:搬出や解体などすべて任せられるので安全かつ労力ほぼゼロ
デメリット:費用が高め、悪質業者もいるので信頼できる業者の選定が重要
よい回収業者を見極めるワンポイントは、
おいくらなど比較サイトに登録していて、
自社のサイトを持っていて更新を続けているところです。
逆に営業電話をかけてくる業者や、
サイトでの活動実態が不明瞭な業者は警戒したほうが良いです。

婚礼箪笥の中古相場について
いつものように、ヤフオク直近180日の落札相場を調べてみました。
“婚礼タンス”で検索しました。
取引数は10件、平均 14,098円、最高 70,000円でした。
最高落札された品物は、大塚家具の展示品です。
やはり腐っても鯛といえる、結果だと思います。
ちなみにジモティーでも同じキーワードで検索したところ、
約120件の投稿がありました。
家具はジモティーのほうが、良いかもしれません。
まとめ
道具をやるなら家具は避けて通れない、
商材かもしれません。
大きいので場所を選びますが、
しっかり対応できればそれだけで差別化できます。
知り合いの家具屋さんは奥秩父に、
倉庫を構えていて大成功しています。
当社でも、箪笥などの片付けについて
相談可能です。
お気軽に、お申し付けください。