川崎市宮前区で、
不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。
田園都市線梶が谷駅から、
鷺沼駅行バスで10分、
東横線武蔵小杉駅から
野川台公園行バスで20分
上野川のバス停付近で、
個人の古物商として活動しています。
骨董市でよく見られる、こけしやだるま。
そして張り子の赤ベコなどは、骨董の世界の優等生。
今回は、この郷土玩具について改めてまとめ、
実家の片付けに役立つ情報を深堀りします。
川崎交換会でも大人気な、郷土玩具とは
先日まとめたカップアンドソーサーと並んで、
川崎交換会など道具市で大人気な、
こけしやだるま、赤ベコなどの可愛い小物たち。
通称”郷土玩具”と、呼ばれています。
この郷土玩具の世界について深堀りします。
[郷土玩具とは]日本各地の地域に伝わる手づくりの玩具で、
主に江戸時代後期から明治期にかけて成立したものを指します。
使用される素材は土・木・竹・藁・紙・布・糸など、
当時の生活周辺で手に入りやすい自然素材が多く、
機械的な製法による近代玩具とは、
明確に区別されています。
また、多くは遊び道具としてだけでなく、
民間信仰や土地の生活習俗と結びつき、
安産・子育て・厄除け・開運・豊作祈願など、
縁起物としての性格も兼ね備えており、
神社や寺院の縁日・門前市などで
売られていました。
[歴史的な変遷と用語の由来]
– 成立と語の定着
当初は「土俗玩具」「地方玩具」「大供玩具」「諸国玩具」
などと呼ばれましたが、
1935年(昭和10年)頃から「郷土玩具」の呼び名に統一されました。
– 愛好・収集の広がり
明治以降、近代玩具の普及に押され一時衰退しました。
しかし、欧米志向への反発や郷愁を背景に、
清水晴風氏などの愛好家により収集・研究が進み、
趣味としての需要が高まりました。
– 戦後の再評価
戦後の観光ブームや民芸運動による再評価が起こり、
収集・保存活動が進展しました。
しかし、後継者不足などにより、
消失の危機にある伝統玩具も多くあります。
[現在の視点:玩具として、アートとして]
近年では、「玩具」<「鑑賞用の民芸品・アート」としての側面が、
強調されるようになっています。
製作コストはもちろん、見た目の美しさが、
「子どもの遊び道具」以上に重視され、
「郷土玩具」という言葉自体の見直しの議論もあります。

日本国内で有名な郷土玩具
沢山の種類が存在する郷土玩具。
熊の木彫りやニポポ人形など、
全国区の知名度を誇る品物も
存在しますのでまとめます。
種類と地域性
日本各地には、
その土地固有の素材や民俗信仰、
祭りの文化に根ざした郷土玩具が多数存在します。
以下、おもな郷土玩具をまとめます。
東北・北海道:
木彫り熊、こけし、土人形、張子(紙を張って着色した人形)、
八幡馬などの馬玩具。
関東:
弾き猿、暫狐、千木筥、今戸土人形、犬張子、招き猫、高崎張子など。
中部・甲信越:
キリコ玩具、鯛車、獅子頭、金沢の八幡起き上がり、
親子だるま、あけび細工の鳩車など。
近畿:
伏見土人形、稲畑土人形、神農さんの虎、
守り犬、人形筆、麦わら細工など。
中国・四国:
流し雛、きりん獅子、鯛車、田面船、鯨車・鯨船、太鼓台玩具など。
九州・沖縄:
古博多人形、木の葉猿、雉(きじ)車、
琉球張子、鹿児島の張子など。
さらに、和凧・独楽・羽子板・達磨などは、
特定地域ではなく全国で縁起や遊びとして、
広く親しまれてきた郷土玩具の代表格です。
和凧:
平安時代から存在し、
江戸期には子どもの遊びとして広まりました。
今でも、大会が開かれるくらい人気はまだまだあります。
独楽(こま):
古くは木の実から発展し、
全国各地で独自のデザインが生まれました。
羽子板:
疫病除けや正月の縁起物として制作されました。
達磨(だるま):
信仰や招福の願いが込められた縁起玩具として人気。
選挙や縁起を担ぐために片目だけ入れられる、
必勝だるまなど実用品もあります。
海外にもある郷土玩具
日本と同様、
世界中にその土地の風土や信仰、
生活に根差した伝統的な玩具/工芸品が存在します。
以下に代表例をいくつかご紹介します。
1. ペルー:リタブロ(Retablos)
木製の箱を開くと、毎日の風景や宗教、
政治をテーマにした精巧なフィギュアが立体的に展開される「レタブロ」。
じゃがいも澱粉や鉱物粉を混ぜた素材で精緻に造られています。
その技術と文化性から、
ペルーの遺産として注目されています。
2. インド(アーンドラ・プラデーシュ州):エティコッパカ玩具(Etikoppaka Toys)
柔らかな木(Ankudu Karra)に天然ニスと顔料を使って彩色される、
回転独楽や動物フィギュアなどの玩具です。
3. ロシア:カルゴポリ玩具(Kargopol Toys)
19世紀に農民が農閑期に作り始めた素朴な彩色粘土人形。
前面に装飾を集中させた単体構成が特徴で、
一時は衰退したものの1950年代に復活し、
現在に至ります。
マトリョーシカと並んで、人気の品物です。
4. 中国の民間玩具
伝統的な紙や革、
木のパーツで作る影絵(シャドウパペット)が長い歴史を持ち、
子どもから大人まで親しまれています。
5. ベトナム:トーへ(Tò he)
もち米粉から作られた、祭りで販売される可食フィギュア。
動物や伝説の登場人物をモチーフに軽やかに造形され、
鮮やかな食用色素で彩られます。
あなたの実家にありそうな郷土玩具
おじいちゃんやおばあちゃんが住んでいた古い実家には、
地域に根差した縁起物や半ば生活の中に溶け込んだ、
玩具が残っているかもしれません。
実家に帰ったら、こういうものを探してみましょう。
1. 張り子・土人形系
犬張子(出産・子育ての縁起物)
犬張子や今戸土人形(関東の例)など信仰と結びついた縁起玩具。
2. だるま
三島だるま(静岡)や一般的な達磨。
古くから厄除けや開運祈願として置かれる定番です。
3. 独楽や武具系
こま(木製・貝こまなど):
正月遊びとして。
きっと飾りや格好として残されているかも。
ただし刃物は刃渡りを見ないと、大変です。
4. 羽子板や和凧
正月飾りとして庭や座敷に掛かっていた可能性あり。
地域ごとの特色ある羽子板など。
これは、作家物ならリユースショップでも、
値がつくことがあります。
5. 起き上がりこぼし・縁起もの玩具
加賀八幡起上り(中部圏)やオッのコンボ(鹿児島)など、
地域の縁起物があれば、
代々の家族が集めていた可能性も。
作家物なら、さらに値段がつきます。
6. より個性的な例
板角力人形(熊本・日奈久)や”花手箱/羽子板(人吉)”などは、
もし遠方から実家へ送られた土産であれば飾られているかもしれません。
その他、急須セットなど贈答品もありそうです。
贈答品についても、別途記事にします。
ちなみにガンプラなどプラモデルも、
おそらく郷土玩具的な立ち位置を得る可能性も、
あります。バラバラでも売れるのが、けっこう面白いです。

郷土玩具にまつわる中古相場
いつものように、ヤフオク直近180日の落札相場を調べてみました。
“郷土玩具”で検索しました。
取引数は10,105件、平均 4,561円、最高 900,000円でした。
最高落札された品物は、
柴崎重行の木彫りの熊です。
有名な木彫作家の本物の逸品です。
実家にある可能性も、否定できません。
まとめ
自分の交換会で初めて、
こけしなどが郷土玩具と呼ばれていることを知りました。
見ているだけでもなんか楽しいのが、
郷土玩具です。
今後も勉強してゆきたいと思います。
当社でも、郷土玩具を出張買取、オークション代行します。
気軽にお申し付けください。