着物業界は果たして◯んだのか?着物を取り巻く環境と未来を京都に見た。

川崎市宮前区で、不用品買取や大人の断捨離を支援するアニー堂です。田園都市線梶が谷駅から、鷺沼駅行バスで10分、東横線武蔵小杉駅から野川台公園行バスで20分上野川のバス停付近で、個人の古物商として活動しています。

今私用で京都にいます。昔は着倒れの街と言われた京都ですが、呉服店はほとんど見当たりません。今回は、着物業界の現状と着物を服に変えるなど、着物の新しい可能性についてもまとめます。

着物業界の現実

最近成人式以外で、町中で着物を着ている人を、見かけた人いるでしょうか?自分はここ半年で、数回ほど見たくらいです。子供の頃だった80年代でも町中で、たまに呉服を見る機会はあった気がしますが、2000年代に入ると、まるで絶滅危惧種のような感じになりました。

現状の着物の売上について、矢野経済研究所のデータを見てみましょう。

2023年は、呉服小売市場規模は前年比101.4%の2,240億円。2021年から、三期連続増は喜ばしいことです。ちなみに一番売上が落ち込んでいた2020年は,1925億円とコロナ禍に入ったということで、小売店全体的な売上が激減していたのを差し引いても酷いです。しかし、2013年頃に比べると1000億円近く減少しています。

ちなみに自分が生まれた、1975年には着物業界は、売上2兆円に達していました。しかし、その後は右肩下がりで、昭和57年(1982年)には1兆7240億円、昭和61年(1986年)1兆5000億円を切ってしまいました。

[原因]

やはり普通の服に比べて着ることへの障壁が大きすぎます。70年代まではまだまだ着付け教室に通うのが、女性の嗜みの一つとされ男性も着物を着こなしていました。

しかし、着物の価格が元々高いことや、着付けやお手入れが難しいと感じる人が多いことも、需要減少の一因です。80年代に入ると洋服が一気に低価格大量生産を行うようになり、着物の売上が激減。大手スーパーなどでも洋服が手に入る用になると市場の縮小化が加速化しました。

着物の未来

高齢化やライフスタイルの変化、洋装化の進展などにより、全体的な売上は減少傾向にある着物。しかし、お高いイメージの着物をお求めやすい価格で、手に入る着物が増えてきています。

その一方で、着物業界では伝統を守りつつも、新しい取り組みを行っている企業や職人も増えています。たとえば、普段着としてのカジュアルな着物の提案や、洋服と組み合わせやすいデザインの着物が登場しており、若い世代にアピールしています。

また、外国人が着物の魅力を認識し、京都などで着物のレンタルサービスが人気を博しています。Googleマップで京都 着物レンタルサービスで検索したところ、20箇所近い店舗を確認できました。

また、のちの章で詳しく解説しますが、リメイク業界が盛り上がっています。リメイクとは、着物のバッグや敷物、洋服などに変えることです。

着物を他のものに作り変える?リメイクの種類と魅力

着物には、もともと手染めの美しい模様や最高高品質な素材など、大量生産品にはない魅力があります。リメイクすることで、自分だけのオリジナルアイテムを作ることができます。

主な人気のリメイクアイテムについてまとめます。

1.洋服:

ワンピース: 着物の身頃部分を切り取り、ワンピースにリメイクするのが洋服リメイクの王道です。
スカート: 着物は大きく広い布地を生かして、ボリュームのあるスカートにリメイクに向いてます。
ジャケット: おしゃれな柄や上質な絹の素材を、ジャケットにリメイクすることで、特別な一枚に。
ブラウス: 着物の柄を生かした、個性的なブラウスにリメイクできます。
2.小物:

バッグ: ハンドバッグやトートバッグなど、様々なタイプのバッグを作るのに向いています。
ポーチ: 服やバッグをリメイクする際に出る、小さい切れ端を利用して、ポーチやコスメポーチを作ることができます。
ネクタイ: 男性用の着物から、おしゃれで個性的なネクタイを作ることができます。和柄のネクタイはルイ・ヴィトンのダミエラインなどハイブランドでも見られます。
ヘアアクセサリー: 帯や帯締めなどを利用して、ヘアアクセサリーを作ることができます。一手間で、品物が再び輝きます。
3.インテリア雑貨:

クッションカバー: 着物の柄を生かしたクッションカバーは、お部屋の良いアクセントになります。絹なので、手触りも高級感溢れます。
テーブルクロス:着物の広い布地をテーブルクロスにリメイクすることで、華やかな食卓を演出できます。 服と並んで、定番のリメイクと思います。
ランチョンマット: 小さい切れ端を利用して、ランチョンマットを作ることができます。

ハギレなどは、まだまだ可能性を秘めています。捨てる前に、気軽にみなさんもチャレンジしてください。

京都の街角で見つけた着物を洋服に変えるサービス

今回街角で見かけた、着物を洋服にというキャッチコピーが気になって、今回の記事を書きました。調べてみると、着物→洋服リメイクはFC店が存在するほど人気の商材です。

以下のような大手のリメイク屋のリンクもご参考にして、着物を蘇らせてみましょう。

かけはぎ工芸織本

86年に有名かけはぎ専門店の長男さんが作ったお店です。創業36年で全国各地に支店があります。

https://www.kakehagi-orimoto.jp/kaisya.html

季縁-KIEN-

着物を素敵なドレスにリメイクする高級志向のお店です。すべてオーダーメイドなので、世界に一着ができます。

https://kimonokien.jp/#news

この他、サイトは存在しませんが沢山のリメイク工房が確認できました。今後も成長を続けると思います。

着物の中古相場

いつものように、ヤフオク直近180日の落札相場を調べてみました。

“着物”で調べてみました。取引数は163,653件、平均 4,299円、最高 1,320,000円でした。最高落札された品物は、銀座もとじの重要無形文化財本場結城紬の男性着物です。

まとめ

気分が落ち込んだときに、未来を見据えたサービスが目に止まり少し深堀りしました。やっぱり70年代がピークで、ほとんど着物が見られなくなったのは改めて数値化できたと思います。当社でも、着物の処分の相談もできます。気軽に、お申し付けください。