光るメダカを作って所持して、逮捕。カルタヘナ法と、ヤフオクでの生き物販売について

川崎市宮前区で、不用品買取や大人の断捨離を支援する”ものと人生の水先案内人アニー堂”です。田園都市線梶が谷駅から、鷺沼駅行バスで10分、東横線武蔵小杉駅から野川台公園行バスで20分上野川のバス停付近で、個人の古物商として活動していどうます。

先日メダカ愛好家たちが世にも珍しい光るメダカを売買して捕まりました。今回は、この逮捕劇のきっかけとなった法律と、ヤフオクでの生き物販売についてまとめてみました。

そもそも光るメダカとは

まずはこの光るメダカは、東工大の研究室でサンゴの遺伝子を加える遺伝子組換え実験によって、生み出された生き物です。後述するカルタヘナ法に関して、届けを出そうとしていたようですが、当然認められず、この光るメダカの存在は宙に浮いた状態になっていました。

すると、この研究室で学ぶ大学院生の男が、この実験で作ったメダカの卵を許可なく持ち出し孵化させて愛好家5人に1匹10万円くらいで販売しました。今回は、ネットでこのメダカが売られているのを、心ある愛好家が見つけて通報して発覚しました。この東工大の男は、赤く光るメダカを1000匹以上自宅で、販売目的で繁殖および所持していたようです。

逮捕容疑カルタヘナ法違反とは

そもそもカルタヘナ法とは、”遺伝子組み換え生物等規制法”と呼ばれる2004年に施行された法律です。法律が施行されて、初検挙となりました。この法律が作られた当時、世界中で遺伝子組換え植物の研究が盛んに行われていました。しかし、自然界にもともと存在しないため、野生種との交雑による遺伝子汚染などが問題視され、この法律が整備され、一部の許可を得た事業所等が厳重に管理することを求められています。

今回は、承認されなかった赤いメダカを勝手に持ち出し繁殖させて販売したということで、作った人はもちろん、買った人も同罪ということで捕まりました。詳細は、以下のリンクに詳しく載せられています。(以下農林水産省サイト)

https://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/about/

なぜ問題となるのか?

もし対策なしで、遺伝子組換え動植物を作っていたら大変なことになります。

まず、多くの動物が絶滅の危機が迫ります。人が管理するので、絶対はなく、なにかの拍子で漏洩し、勝手に繁殖してしまい、本来生息している生き物と交雑して、遺伝子交雑が起きてします。すると、野生の本来の形質を持つ純粋な個体が減少し、最悪特定の病害虫で一気に絶滅する恐れがあり、生態系に大きな穴が空いてしまいます。またその被害は、作られた生きものに留まりません。本来その種を餌としていた、食物連鎖上位の生きものも、同時に食料を失うからです。こういった、複雑な生態系を含む”種の多様性”が損なわれる重大な可能性があるから、厳重に管理が必要となります。

ヤフオクでの生き物販売での販売ルール

ヤフオクでは、一部のワシントン条約にかかわる動植物は出品はおろか、目的の有無にかかわらず許可を持つ人以外の所持を禁止しています。魚類、昆虫、両生類は出品可能ですが、ストレスを与えないような発送方法で輸送し、その後のアフターケアーもちゃんとするならという条件付きで出品が許されていますが、たまに3面記事を賑やかすことがあります。

詳細は、以下のリンクを参考にしてください。

https://auctions.yahoo.co.jp/special/html/auc/jp/pet/guide.html

問題事例1

生きた上海蟹を、人気You Tuber”きまぐれクック”氏がヤフオクで購入して、生きた状態で輸入したことを動画で公開したところ、特定外来生物被害防止法に違反するのではという指摘を受け、ネットで大炎上しました。今回は、捕まってはいませんが外来種を勝手に生きた状態で、簡単に買えることを大々的に動画で拡散した行為に対して、SNSでは大問題となり、きまぐれクック氏は釈明に追われました。ヤフオクで見つけても、入札などをクリックせず通報したほうが良さそうです。もし買うなら、適正飼育の環境を整えてから、許可を得て販売しているお店で直接買いましょう。

ヤフオクでの生き物販売の現状(相場)

少し怖いですが、ヤフオクでどんな生きものが売られているか調べてみました。

今回は広い範囲で確認したので、カテゴリー”ペット 生きもの”で調べてみました。

取引数は、443,501件、平均 4,554円、最高 1,544,000円でした。最高落札された子は、坂牧養鯉場で作られた2歳の大正三色の錦鯉ちゃんでした。100万超えは立派です。もともと錦鯉は世界的にコレクターが多数いて、度々ニュースにもなっています。さすがといったところでしょうか。

まとめ

生きものをネットで販売するのは、いかがなものかという話はネット内外でも話題として(主にネガティブ)取り上げられています。

生体展示の販売手法も、生体に重大なストレスを与えるなどですぐに死んでしまう悲劇が跡を絶ちませんし、それ以上にカジュアルに買っていまい飼育放棄や多頭飼育崩壊を招く恐れもあります。

しかし、ネット販売解禁すれば、問題解決されるという単純なものではないと思います。

ペット先進国が多いヨーロッパでも、クリスマスプレゼントとして、ネットでポチってしまい懐かないなどの理由で安易に捨てられる悲劇が後をたたないようです。

個人的な意見とすれば、北欧のような国認定のブリードの資格を整備が急がれると思います。また、ペットを買う前に、お金や必要な道具などを揃える準備をした上で、一呼吸おいて考えてから、優しいブリーダーさんから購入してください。

動物たちがあなたを愛するように、あなたも動物たちを愛してあげて、終生飼育を必ず果たしてください。